佐々木大輔「僕らのネクロマンシー」の読書体験

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佐々木大輔さんこと@sasakillの、『僕らのネクロマンシー』を読了しました。
知り合いが書いた素敵な私小説から、とっても素敵な時間を提供してもらえたって、そんな素敵なことあるのだろうか、それくらい素敵でした。

まず、献本いただいた本が届いて、封筒から出して、装丁の美しさにびっくり。
樹氷の写真にアクリルが施された表紙。遠野物語の原作と同じ判型なのだとか。
「読む場所を選びたい本」に出会ったのははじめて。届いた翌日、ちょうど青森に旅行に行く予定があって、なにこの選ばれしタイミング!ってことで、青森の奥入瀬渓流のホテルの暖炉があるラウンジで樹氷を眺めながら読みました。(実際は娘が邪魔してくるので、ラウンジで本読めたのは30分だけだけど)

普段はKindleでiPhoneで、活字といえばノンフィクションの政治ドキュメンタリーとかビジネス書とか読んでいます。よって「読書=文字消化」だったりする残念な私...。
美しい紙の本を手にとって、読む場所を選んで、どっぷり小説の世界に入るという読書体験そのものが、私にとっては斬新で、読書の原点というのでしょうか、そういうのに立ち返れただけで、もう、感激でした。

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肝心の中身はびっくり感心するほどに面白かった。
私はあまり文学的素養は持ち合わせてないけれど、小説は柳田國男の「遠野物語」のオマージュで、文体も明治〜昭和的な擬古文なのに、人工知能やボイスコントロール等、現代的な世界観もインストールされたファンタジーです。

なんていうの?星新一?現代の星新一っぽいのか?
主人公は、中2キャラということで良いよね?
この小説の面白さを他の文学と比較して評論するほど知識と表現力が無いのが辛い。
とりあえず他の直木賞作家の本でも読んで、@sasakillの小説の面白さを再認識してみたいくらい。
でも芸人作家先生の小説よりずっと示唆に富んでて、世界観があると思う。(個人的感想)

遠い昔の田舎の話でもなく、テクノロジーの物語でもなく、「もしかしたらそうなるかもしれない」ちょっと先の現実的な未来を、現代の遠野の世界にSF的に描かれていて、でも文体は昭和的な擬古文。基本は人間の物語。ああ、うまく感想を書けない。

この「僕らのネクロマンシー」文学賞とかとっちゃうんじゃないのかな。いや、わからないけど。「本は読める文学素人」的にも、充分に世界観に引き込まれてちょっと感動したり、読了した後は「ああ、良いものを読んだ!ありがとう!@sasakill」と心のなかで感謝をしたくらいの素敵な読書体験でした。

しかしこの「僕らのネクロマンシー」は金額も売り方もずいぶん独特で、350部限定、Amazonでは売ってません。
もしかして、この本プレミア出ちゃうんじゃないかと思ったりもしたけれど、娘との旅の道連れにしてしまってたもんで、破られたり汚れたりしてしまった...。いいの、一生大事にとっておこう。

ちなみに著者の佐々木大輔さんこと@sasakillは、元LINEの執行役員で、現在はスマートニュースの偉い人。小説家ではなく、イケイケの会社のバリバリの仕事人だったりするのが、また憎い。

『僕らのネクロマンシー』特設サイト
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