走ることについて語るときに私の語ること

最近ランニングづいてる私にお薦めされた、村上春樹のエッセイのような本「走ることについて語るときに僕の語ること」を読みました。

ランナーだったら必読だよ!」とかさんざん吹聴されただけあって、ランナーの端くれの私が読んで共感できる事が多かったし、読んだ後は走りたくなったし、走りたくなくなったらまた読もうと思えた本でした。

村上春樹は、長編小説を書くのは長距離を走るのに似てる、「基礎体力の強化は、より大柄な想像に向かうためには欠くことのできないものごとのひとつだと考えているし、それはやるだけの価値のあることだ」と仰る。

この方、50代後半にも関わらず毎日10キロ走るのを日課にしてて、月260キロ走るようにしているんですって。
ひじょうにストイックです。
この本は実に240ページにもわたって、タイトル通り村上春樹の「走る」ことについて延々と、自分の話を延々と書き連ねています。

でも長距離走って本当にひたすら自分と向きあうスポーツで、走ってる時は延々と自分の事を考えてる。
それを言語化(しかも240ページも、それも村上春樹の文章で)されてるんだから、そりゃ共感もするよね。

ということで。

私も、「走ることについて語るときに私の語ること」をしてみようと思います。


私が走り始めたのは、2008年位のナイキのイベントか何かの10キロのレースを、相方が勝手にエントリーしたことに端を発します。

その時まで全然ランニングなんて興味が無かったんだけど、しょうがないから練習を始めるわけです。
でも最初は2キロ走っただけで、魂が抜けるんじゃないかと思うくらい頭がくらくらして疲れまくって、足首もすぐに痛くなりました。

でもまあ、それをきっかけに、ダイエット目的でたまに家の周りを2〜3キロは走るようになりました。
(そのナイキのレースはちゃんと歩かずに完走できた)

それから数年経って、ようやくナイキプラスの対応靴を買って、iPhoneアプリで走行距離と時間を図れるようになってから急激にモチベーションが上がって、走る距離とタイムを少し意識して走るようになりました。
なんでもっと早く買わなかったんだと後悔したくらい。

そして今月末にフルマラソンを走ることになったので、マラソンの本とか借りて読んで、いよいよ真面目にトレーニングし出しているのがイマココ。

ランニングのいいところって、村上春樹も書いていたけど、仲間や相手が要らなくて、特別な装備も道具も必要なくて、特別な場所まで足を運ばなくていいし、気が向いたときにいつでも走りにいけます。

余計な「待ち時間」も無い(ボールが来るまで待機とか、ダンスの相手の動きを見てあげるとか)し、効率的に合理的に運動ができる気もします。

特別な技術も必要ないし、運動音痴でも頑張って走れば走った分だけ、必ず走れるようになっていく
あと私は、多摩川近くに住んでいるのでランニングする環境には恵まれているのも良かった。

あとはひたすら自分と向きあう。
「今日は体が重いな」「右ひざ痛くなってきたな」「と思ったら右ひざは痛くなくなったけど左の踵が違和感感じる…」「手と足が勝手に動くようになった、ずっと走っていけそう!(ランナーズハイモード)」
もう、走ってる間はひたすら、自分の体をひたすら観察し続けるのです。

走ってる間は、人生の事や仕事の事を思考してる気もするし、単に音楽を聞いているだけの気もするし、晩ご飯の事しか考えていない気もするし、何も考えていない気もします。
でもひたすら自分と向き合っている気がします。

私が1時間以上走る時は、必ずその時のランニング用のiPodのプレイリストをつくるようにしていて、その中にはTOEICや英語ニュースなどの英語のPodcastと落語と、あと好きな音楽をいい感じにミックスするようにしています。

英語系ポッドキャストは走りながら英語の勉強ができるから一石二鳥。
集中して聞ける最初の30分に英語系を入れてます。

後は落語もお薦め。
江戸時代の情景を思い浮かべながら、時々クスっとしながら走ってるとあっという間に30分経ちます。
たまに話しのつかみが自分には合わない時は、垂れ流しで落語に集中しないで走ってると、なぜか思考がぐんぐん進むのでこれもまたよし。
落語のCDは有名な噺家さんのものが図書館で山ほど借りられるよ。

あとは入っている曲はやっぱり椎名林檎と東京事変が多いです。あとはAKB48とか、メタル系のロックミュージックかな。

それはそうと、やっぱり走るには目的が必要で「レースに出る」事が決まらないと、中々ちゃんと走る気にならないものです。
テストが無ければ勉強なんてしないのと一緒。
(いや、真面目な学生や真面目なランナーは、そんなイベントが無くても勉強したり走ったりするんだろうけど)

つまり、レースにエントリーしなきゃ何も始まらない、と私は思いました。
初めて走るきっかけになったのも10キロのレースに勝手にエントリーされた事だったし、生まれて初めてフルマラソンに挑戦することになって初めて、結構真面目にトレーニングし出してるもの。

週末しかトレーニングしてないけど、10キロ普通に走れるようになって、次は12キロ走って、次は15キロ走って、次はハーフマラソン出て、最近は2時間苦なく走り続けられるようになって、弱い膝を労りつつ、どんどん走力が上がってきてるのがわかって楽しいです。

それでも42キロのフルマラソンなんて自分にとっては未知の領域過ぎて怖いけど、きっと完走する

42キロ走るのが欝だと思ったら、いつも中学・高校時代のバレーボールの部活の合宿を思い出すようにしています。
あの地獄の合宿に行くくらいなら、喜んで5時間走り続ける方を選ぶね。

4泊5日、朝も昼も夜もずっと先輩に気を使い、常に大声で掛け声かけないと怒られ、ボール拾いは常に走らないといけないし、ひたすら反復練習をし、時に意味不明なきついだけの根性練習をさせられる地獄の合宿…、ああやだやだ、考えただけでもいやだ。
だったら誰にも邪魔されず気を使わずひたすら5時間走り続ける方がよっぽどまし!という負のモチベーションが私にはある。

とりあえず今は月末の人生初のフルマラソンに備え、体調や心調を万全にしようと思います。

走ることについて語るときに僕の語ること
村上 春樹
文藝春秋
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この記事について

このページは、mayumineが2012年2月 5日 13:42に書いた記事です。

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