拙著「HDR写真 魔法のかけ方レシピ ~撮ったあと生まれ変わる、写真のあたらしい楽しみ方」が8月27日に技術評論社より発売されます。
きっと、人生で最初で最後になるだろう単著。
しかも写真・カメラ系。
そしてテーマが「HDR」という 、なかなかにニッチな分野なのでいつ絶版になってもおかしくない。
でも本の仕上がりはとってもクールで、何も知らない私が本屋で見かけたとしたら必ず手にとって買いたくなっちゃうくらい、素敵にしてもらえました。
そもそもHDR写真って何か、この本では何が書かれているのかというと、
簡単に言えば、このような素晴らしいただの写真を、ちょっとした撮影の工夫(ブラケット撮影)と、パソコンのソフトで加工(Photomatix合成&Lightroom現像)するだけで、
こんなにかっこいい写真に仕上げる楽しさと、その方法について解説しています。
このブログでも「HDR写真の作り方」という記事で概要や制作手順について説明しています。
「え、これって写真なの?」なんてことのない写真を、幻想的でアートのように、あるいはCGのようなくっきり鮮やかに ― あたらしい表現方法として注目されるHDR写真の作り方を、身近な風景から、著者が世界一周旅行で巡った名所の数々までを題材に解説。「ちょっといいデジカメを持っているけど、ただ撮るだけじゃおもしろくない」「自分の写真に何となく満足がいかない」「写真でいろいろ遊んでみたい」そんなあなたに、自分だけの写真を思いどおりに作る技術と考え方を教える、日本初の書籍。
そう、HDRがテーマの日本初の書籍なのです。
- 第1章 HDR写真とは
- 第2章 世界の名所と日常から読み解く「HDR映えする風景」のポイント
- 第3章 必要なものを準備する
- 第4章 撮影のポイントとコツ
- 第5章 HDR写真を合成する
- 第6章 写真を補正する
- 第7章 世界の名所 設定レシピ
- 第8章 失敗例と直し方
本書ではあとがきを書くスペースが無かったので、この本にかけた思いを少し語っておきます。
私は2010年10月頃からHDR写真に取り組んでいて、当時発売されたばかりのiPhone 4 のカメラに「HDR」機能が搭載されたことをきっかけに知り、「明るいところと暗いところを合成して良いとこ取りできる写真撮影技法」であるHDRというものについて興味を持ち、カメラもD5000に買い換えて、HDR用のソフトウェアも購入し、HDRについて書かれているブログや英語の書籍を読みあさり、独学でHDR写真の制作をしてきました。
「HDRってなんかギークでクール!機材がそんなに良くなくても、腕がそんなに良くなくても、ちょっとした撮影方法のコツと、ソフトウェアの加工のやり方さえ知ってしまえば、こんなに写真をかっこ良くできるんだ!」
と開眼しハマって、世界一周旅行なんかもHDR写真を撮り漁りました。
(このブログの「HDR」カテゴリでたくさんHDR写真を掲載しています)
でもHDRって、日本ではそんなに流行ってなくて、どちらかというと外人が好きなイメージ。
割とストイック気質な日本人にとって、こんなチート感あるHDR写真は写真じゃない!と思う人も多いんだと思う。
そしてインターネットで見かけるHDR写真と言えば、まるでゲームのような、またはアニメCGのようなレンダリングで、ビカビカに高彩度な色味、過度なテクスチャーエフェクトが施されたものが多く、それに嫌悪感を感じる人も多いのもまた事実。
HDRの功罪ー「加工中毒」に陥ると写真は台無しになる : ギズモード・ジャパン
私も昔はそんな写真がHDR写真と思っていたけれど、それは違うのだ。
HDRはハイダイナミックレンジ合成した写真のことで 、1枚の画像の中で白トビや黒つぶれを無くして、明るいところと暗いところを同時に階調を残して表現することができる写真の表現技法なのだ。
「HDRの事をもっとちゃんと知って欲しいし、一回試してみて!絶対楽しいから!」
つまるところ、それが私が本にかけた思いです。
ただの風景写真にHDRの魔法をかけた瞬間,1つのアート作品として昇華させているような感覚になります。HDR写真として仕上げることで,一気に「自分だけの作品」になる気がします。本書は,そんなHDR写真をテーマにした,日本ではじめての本です。
私が世界中を旅して撮り下ろしたたくさんのHDR写真の作例とともに,写真に「HDRの魔法」をかける楽しさと,「魔法のかけ方」をお伝えしていきます。HDR写真の概要から撮影のコツ,ソフトウェアで加工する方法,失敗の防ぎ方まで,この本1冊で,HDR写真のほとんどすべてについて理解できるはず。
それが本書のテーマです。
本そのものは、私の世界一周旅行HDR写真集みたいな雰囲気もあって、パラパラめくるだけでも結構楽しいはず。
そして邪な思いを語ってしまうと、2013年に行った世界一周旅行の目的のひとつに「風景は全部HDR写真で撮影する」があって、それはいつかもしかしたら本にできるかもしれないと思っていたから。
そして夢が叶いました。
写真・カメラ系でテクニカルな解説要素もありながら自分の写真を紹介できる単著。
この本が出るまでは、本業(会社員)も忙しいので、企画を通して執筆して、出版にいたるまで、実は1年以上かかっています。
執筆中は、様々な人の支えもありながらも実際は本当に1人の戦いでした。
他にHDR写真に詳しい人の知り合いはいないので相談相手もいなくて、文章も全部オリジナル、素材写真はほぼ全部私の撮りおろし。
それがひとつの本のかたちにまとまって世に出るなんて、まだ信じられない!(まだ見本誌見てない)
きっかけを繋いでくれていつも話を聞いてくれた大好きな麻子さん、そしてプロデュースしてくれたサカタさん、超敏腕編集の傳さん、機材(α7)や場所などで大変お世話になった弊社と弊社社長、PhotomatixのYuzuruさん、そして特に本書執筆に関しては特に関わりないんだけど、何となく感謝しておきたくなるいちるさん、そして時間のかかるHDR撮影の時もじっと隣で待っててくれたり、引きこもって原稿やってる私にご飯つくってくれた我が夫、そしてこれから手にとって読んでくれるみなさん、ありがとうございます。
購入者特典、Photomatix 30%オフクーポンもついてます
そうそう、最後にとってもお得な情報を。この本の購入者特典として、HDR合成に欠かせない本書でもページを割いて使い方を紹介しているHDR合成ソフトPhotomatixの30%オフクーポンコードを提供しています。
11,000円のソフトウェアの30%オフというと、3300円引きになるわけで、そもそもこの本の値段が1922円であって...あれれれ...?っと言いたいことはわかるよね。これ以上は景表法的なあれもあって、あまり(主に出版社側では)大々的には言えない事情があってだな。
ともあれ、Photomatixさん太っ腹過ぎる。
ちなみに本を買わなくてもPhotomatixはこのブログ経由で15%オフで買えます。
そんなわけで拙書「HDR写真 魔法のかけ方レシピ」を何卒よろしくお願いいたします。