世界一周11カ所目:リオで過ごした日々

ブラジル・リオデジャネイロで過ごした日記のような話です。

地理的にもブラジルは日本の真反対にあるように、ブラジルは全てが日本と真反対です。
気候もまったくの真逆で、東京が雪が降るほど寒い2月なら、リオは35度を超える猛暑の2月。
時差もサマータイム期間はちょうど12時間差で、日本が朝の9時ならリオは夜の9時。
国に住む人々も全然違くて、日本が真面目で画一的な単一民族なら、ブラジルは陽気で混血だらけの多種民族。

そんな日本と正反対のブラジルのリオデジャネイロに来た最大の理由は、先のエントリーの通り世界一派手なモノだと思うカーニバルを見てみたかったからなのですが、2014年にはワールドカップが、2016年にはオリンピックが開催される、多分世界で最も勢いのある都市のダイナミズムを感じてみたかったという理由もあります。

たった1週間の滞在でしたが、この世界一周旅行の中では最も長くひとつの都市に滞在するのがリオデジャネイロでした。おかげで真夏の陽気なリオで刺激を受けつつのんびりリラックスしながら過ごす事ができました。

ブラジルには相方氏のアメリカ時代の友人、フランソワが住んでいて、さらに彼の従兄弟がリオのど真ん中にどでかいアパートを所有していてちょうど空いているということで、そこに我が家のように滞在させてもらうことができて幸運でした。

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ガレオン空港に着くとフランソワが出迎えに来てくれ、わけがわからぬまま、そのまま彼の従兄弟が運転する車でリオ郊外の従兄弟の家へ、走る事2時間少し、21時過ぎに郊外の広い家に着くと、犬3匹と優しいママが歓迎してくれました。

車を運転してくれた従兄弟(弟)とその彼女と、兄とその彼女と、ママとフランソワと我々夫婦でブラジルの家庭的な食事を頂きます。
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ポルトガル語はまったくわからないので、会話は身振り手振りと片言単語、あとはフランソワのポルトガル語→英語の通訳を介して話すのですが、相方のとても面白くないギャグが大爆笑してもらえていて(日本だったら軽くスルーされるレベル)、文化の違いをとても感じました。
そのギャグというのが、ママ「私も......昔は、ミニスカートにブーツでとってもひどかったわ(みたいな話)」、相方氏「警察でも呼んだ方が良かったね」。一同「大爆笑」。
クソみたいなアメリカンジョークでも、国が違えば人を楽しませることが出来るのだと、ほとほと関心したものです。

また4組の兄弟カップルは、食事中も常時ボディタッチをし、目が合えばキスをする。これもブラジルでは(多分)当たり前の光景のようで、地味にカルチャーショックを受けます。
日本では客人を交えた家族団らんの場でいちゃつく人など皆無ですからね。

食事の後は少し休んで真夜中の飲み歩きに連れて行ってもらいました。郊外の場末感漂うライブもやってるクラブとバーの中間みたいな小さな店で、カイピリーニャをちびちび飲みながら朝の4時まで踊っていました。

そこでも地味にカルチャーショックを受けたのですが、シルバーのスパンコールシャツに黒のスパンコールのミニスカートを身につけたお世辞にも美人とは言えない太めの女性が、ライブ中のボーカルからマイクを奪い歌い踊り狂っているのが当たり前で、その女性の友人のおばさんたちも派手な服装で飲み踊り狂って、その辺のお世辞にも素敵な男性とはいえないおっさんと身を寄せ合て踊りながらうっかりキスをしてしまい、その様子を友人に携帯で写真に撮られた瞬間、女性が我に帰って冷めている様も見ていて面白かったです。
郊外とはいえ、リオっ子の週末にかける気合いはものすごいのだなあと関心しました。
リオについた初日から地元の人と夜遊び出来て楽しかったです。
それまでのペルーやボリビアでの南米旅行中は、朝早く起きて観光しまくって、疲れきって酒も飲まずに夜はとっとと寝る、しかも標高高いから体調管理は慎重にしなくてはいけない、...という生活から一変、暑い陽気な街で昼はだらだらして夜は遊び歩くというスタイルに変わり、ああ、土地が変われば過ごし方も全然変わるものだと思ったものです。

リオでは先のエントリーにあった通りカーニバルが派手すぎて感動したりした他は、少し観光したり、アパートで自炊してのんびりしたっり、ビーチに出かけてだらだらしたり走ったりしていました。おかげですごく日焼けしました。
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リオはそれなりに観光する所はあるのですが、それでもいかにも「ザ・リオ!」な景色で有名なコルコバードの丘に登れば、もうひとつ有名な丘であるボン・ディ・アスカールは行かなくてもいいや、となり、前衛的な教会○○に一回行けば、別に教会とかの歴史ある建物巡りなんてどうでも良くなるし、ブラジルの歴史や美術を知るためにわざわざ博物館や美術館には行かないし、そういう意味で面白い場所といえば幻想図書館に行ったくらいです。

そもそも南米の都市というのは、ほとんどが15世紀以降スペインやポルトガルに征服されてから構築されたコロニアルな町並みで、悪く言えばどこも一緒、ヨーロッパの都市のように歴史が溢れているわけではなく、あまり観光するところは多くないわけです。

でもリオには世界有数のビーチがあります。
乳首と局部しか隠れていないほぼ裸同然の水着を着た美女...に限らずおばさんも子供もほぼ裸同然でビーチを闊歩しているコパガバーナビーチにイパネマビーチがあります。

とりあえずビーチに行って、椅子とパラソルを借りて、日焼けしながら、ビールを飲んだり音楽を聴いたり本を読んだりしつつ、水着の美女を捜し、男集団がいればそいつらがゲイかどうか見極めたり、ビーチバレーやビーチサッカーに興じている人たちを眺めたり(しかも妙にみんなうまい)、かわいい子供を眺めたり、水着の紐が食い込んでボンレスハムのようなおばさんでもちっとも恥じゃないことに関心したりして過ごす。
何時間いても飽きません。

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そして夕暮れ時になれば持って来たシューズを履いて、ビーチ沿いのたくさんのランナーが走る道路で「イパネマの娘」を聞きながら軽くジョギングをし、汗をかいた所で海に飛び込みビールを飲む。
日が完全に暮れればビーチ沿いの店で飲んで食べて帰る。
こんな最高なことがありますでしょうか。
理想の生活のひとつは、起きて昼過ぎまで仕事をし、昼ご飯を食べたらビーチに繰り出し、思い思いに過ごして飲んで、スーパーに寄って食材買って帰って自炊してのんびりする。
そんな生活をこのリオのビーチでしたいものです。

リオのビーチにはアジア人が全然いません。
このビーチにいると(ビーチじゃなくて町中でも)、背が低くて華奢なのにずんどうな体のスタイル、ビーチに似合わない黄色の肌のアジア人の人種としての見た目の劣性を感じずにはいられません。
長い年月をかけて白人と黒人の血が混じり合ったブラジル人は、特に黒人の血なのでしょうが、頭が小さくて手足が長くお尻がぷりっとしていてスタイルが良い。太っていても何故か体のバランスが良いので水着が似合うのですよね。

ビーチでなくても夏のリオの人たちはほぼ半裸です。
男性の7割は半ズボン、ほとんどがタンクトップか上半身裸で、平日の東京の中心部を歩いていたら変態扱いされそうです。
女性も短パンにキャミソールがデフォルト、みな派手な服を着ています。どんなおばあさんでも派手な薄手のワンピースを着ています。週末となればさらに派手さが増します。コパガバーナのバーに観光客狙いで集う娼婦たちの派手さと言ったらさらに凄まじい。東京でブラジル人みたいな服装をしていたら確実に浮きます。

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世界一周旅行の身なのでベーシックな服しか持っていなかったのが我慢ならなかった私は、つい派手な服を買ってしまったのでした。

また街中ではフレッシュフルーツのフローズンジュースがそこら中で売られています。暑くて汗だくの中、それで喉を潤すのは格別に美味しかったです。
Facebookで教えてもらったアサイーのフローズンドリンク(にバナナやガラナが入ったスペシャルミックスみたいのもある)は、日本では中々飲めない味でとても美味しくハマりました。

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リオは世界有数の国際観光都市ではありますが、ビザをとるハードルが高いためか、物価が安くないためか、大都市過ぎるのか、バックパッカーはおろか、あまり個人旅行者を見かけませんでした。
日本人もツアーで来た老人集団以外は全然みかけませんでした。

ブラジルのビザ取得の面倒臭さはトップレベルだと思います。
銀行残高証明書だの住民票だのブラジル行きのチケットだの、オンラインで作成してプリントアウトした複雑申請書だの、むやみやたらに多い必要書類を五反田の領事館に持って行って、さらに発行までに10日ほどかかります。しかもビザ発行してから3ヶ月で期限が切れますし。
そこまでしてふらっとリオまで来るようなバックパッカーは少ないのかもしれません。

でも私はブラジル、リオの雰囲気がとても気に入りました。
夏はとても暑くて、みんな派手で、自由気ままで本能のままに生き、誰も何も細かい事は気にしていない。
地下鉄の切符を買う機会が壊れているがために有人の切符売り場に長蛇の列が出来ていようが、スーパーの店員があり得ないくらい態度悪くて仕事が遅いのでレジが中々進まなかろうが、そんなことで怒ったりしない。
日本の、特に東京の、無言の圧力のように強いられる協調性(例えば、電車の中ではドア側に立ってる人は駅に着いたらいったん外に出やがれみたいな)にすっかり慣れきっていながらも、実はストレスに感じていたのかもしれません。海外に出ると、そういうマナーやルールは最低限、だけどもお年寄りや女性には自然と気を使う...そういう文化も良いなあと思うし気楽に感じます。

できるならまた必ずリオのビーチに来たいです。この日記を書いているのが気温1度位で寒いマドリッドで書いているわけですが、もうあの太陽がギラギラした暑くて、最高に喉が渇くコパガバーナのビーチに戻りたい。

わたしも、ヨーロッパの不良おばさんみたいに、日焼けしてしみだらけでぶよぶよの肌を恥ずかしげもなく露出し、ワインを飲んでバーで踊ったりしながらバケーションや人生を楽しめるようなおばさんになりたいと思いました。