「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」を読んで

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最近何かと話題になっている日経BPから発行された書籍、「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」。
本書を編集担当された@takeuchさんから恩着せがましく献本を頂きましたが、とても気になっていた本でしたので、大変にありがたく拝読させて頂きました。

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ビートルズよりストーンズより儲けてしまったバンドの秘密。
ライブは録音OK、音楽は無料で聴き放題。それなのに年間5000万ドルも稼ぐ。40年前からフリーもシェアも実するヒッピーバンド。 それはフリーでシェアでラブ&ピースな21世紀のビジネスモデル。


グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ
デイヴィッド・ミーアマン・スコット ブライアン・ハリガン
日経BP社
売り上げランキング: 18

グレイトフル・デッドは、1960年代にアメリカ西海岸で生まれたバンド。
日本人にはほとんど馴染みのないバンドらしいし、私も名前はかろうじて知ってたけど、聞いたことは無かった。

それでもビートルズより、ストーンズより儲けた伝説のバンドだそうです。

ええ。どうやって?

そのマーケティング手法が今の時代にも充分に通用する斬新なモデルだった…というのをグレイトフル・デッドの例と、現代企業の成功例と照らし合わせながら紹介されています。

まず糸井重里のまえがきでこう書かれていたフレーズが衝撃的に気に入りました。

スティーブ・ジョブズ。
気持ちいいインターフェース、さわり心地のいいデザインにこだわり続ける。
機能よりも官能。快楽原則をなによりも大事にして創り続ける。

機能より官能

そうなの!
アップル製品に限らず、欲しくなるもの、使いたいツール、洋服でも食べ物でも「うまく説明は出来ないけど、欲しいったら欲しいのー!」「よくわかんないけど、このツール楽しい!」「この服超可愛い!」「味は詳しく説明できないけど、ここのご飯うまい!」みたいな純粋な「欲」に従う事が多い(少なくとも私はね)。
それは官能的とも言える。
んでもって人の購買意欲はその「官能的な何か」にかなり刺激されるような気がする。(商品にもよるけど)

日本の家電はとにかく技術力の高さで素晴らしい機能が搭載されているけど、ヨーロッパの家電は機能は最小限だけどおしゃれで何か欲しくなる、みたいな。

機能より官能
ソフトウェアとWEBサービスを提供する会社に努めている身として、はっとしたのでした。
「Movable Typeの再構築最高だぜー!」と恍惚し出すのも重症だけどねw

と、それはさておき。

この本自体表紙のデザインはグレイトフル・デッドと一緒に仕事をしていたイラストレーターの絵で、かっこいいし、紙の質感も他の本とは違って手触りも良いし、写真も一杯入ってるし、蛍光ピンク色の見出し文字、大きめのフォントの文字組で読みやすくて、何かかっこいいのです。
(あと、文字がでかくて写真が一杯入ってるということは、本の見た目の厚さにくらべてラクにすいすい読める)

例によって書評は大の苦手なので、中身を抜粋&紹介します。

1章 ユニークなビジネスモデルをつくろう

LESSON:他人とは違うビジネスモデルをあみ出す
CASE:ル・ラ・ラはオンラインで高級ブランドを買う場を創り上げた
ACTION:自分が戦いやすい土壌を作る

助言を求めるなら自分とは違う業界の切れ者がいい自分がどっぷりつかっている業界でユニークなビジネスモデルを考えようとしても常識に邪魔されてろくなアイディアが出ないからだ


2章 忘れられない名前をつけよう

LESSON:印象的で忘れられない名前をつけよう
CASE:ハブスポットとディヴィッド・ミーアマン・スコット
ACTION:記憶に残る印象的な名前を見つけよう

3章 バラエティに富んだチームを作ろう

LESSON:異なる才能がある人を集めよう
CASE:デジタルの女王ジュリア・ロイがCOACHで活躍
ACTION:会社のマーケティング部門を見なおそう

4章 ありのままの自分でいよう

LESSON:自分の真の姿を隠そうとするな
CASE:セールス・フォース・ドットコムの失敗と成功
ACTION:社員に自由を与えよう

社員が自社のブログを書いたり自社にツイッターに書くよう勧めよう。社員に「信頼しているぞ」と伝えれば、問題を起こすこともなく、良い結果が得られるだろう。


5章 「実験」を繰り返す

LESSON:常に新しい実験をしよう
CASE:ドロップボックス「素早く学び、何度も学ぶ」
ACTION:マーケティング部門で実験をしてみる

6章 新しい技術を取り入れよう

LESSON:最新の技術を積極的に取り入れよう
アメリカ国防総省も取り入れている新しいメディア技術
会社のソーシャルメディア用ガイドラインをつくろう

多くのガイドラインは、インターネットでさがすことができる。これらを基にして、自社にとって適切な独自のガイドラインを作成しよう。全ての従業員が読めるように公開し、ソーシャルテクノロジーの使用方法について語り合い、そのための企業文化を築きあげよう。

※我社ではソーシャルメディアガイドラインをクリエィティブコモンズで公開しているよ。コピーして商用利用可だよ!(私がつくったんだよ!)

7章 新しいカテゴリーを作ってしまおう

LESSON:これまでにない新しいカテゴリーを作ってしまえ
CASE:新しい投資家のカテゴリーを作り上げたYコンビネーター
ACTION:業界の境界線を書き換えよう

8章 変わり者でいいじゃないか

LESSON:他人とは異なる自分でいたい人を狙え
CASE:ファットでハッピーなニュー・ベルジャン醸造会社
ACTION:変わり者を育てよう

ウェブサイトに個性を取り入れよう。そして、ライバルに似ている、退屈なコンテンツを外そう。変わり者にアピールするビデオ、ブログ記事、写真などを提供し、それを積み重ねていこう。



9章 ファンを「冒険の旅」に連れ出そう

LESSON:親密な絆を作る冒険の旅に招待しよう
CASE:バードマン・スノーボードの冒険の旅
ACTION:マーケティングのメッセージをコントロールしようとするな

企業の印刷物やウェブサイトから理解不能で無意味な表現や決まり文句を取り除き、一方的なメッセージを押し付けるのをやめよう。


10章 最前列の席はファンにあげよう

LESSON:忠実なファンを大切にしよう
CASE:バラク・オバマとファンを最優先すること
ACTION:最も忠実なファンに絞った企画をしよう

忠実なファンのグループには、優先的にコミュニケーションをとろう。次の新製品の発売前には、特別なイベントやカンファレンス、セミナーなどで情報を提供しよう。


11章 ファンを増やそう

LESSON:ファンと直接繋がろう
CASE:ハブスポットはウェブサイト・グレーダーで「リーチ」を拡大した
ACTION:リーチを増やそう

メルマガの登録者、ブログの購読者、ツイッターのフォロワー、フェイスブックのファン、リンクトインのグループメンバーの数がわかるチャートを作成しよう。その数を毎月チェックして、リーチを月に5%伸ばす目標を立てよう。


12章 中間業者を排除しよう

LESSON:お客さんに直接販売しよう
CASE:グーグルは広告代理店の必要性をなくした
ACTION:お客さんと直接つながろう

13章 コンテンツを無料で提供しよう

LESSON:コンテンツを無料にすることで「リーチ」を増やそう
CASE:MySQLはデベロッパーにソースコードを無料で提供している
ACTION:得ようと思ったらまず与えなければならない

14章 広まりやすくしよう

LESSON:口コミが広まる工夫をしよう
CASE:なぜマッシャブルのコンテンツは広まるのか
ACTION:あなたのコンテンツを広めやすくしよう

自社のマーケティング全般を通してソーシャルメディアを組み込もう。


15章 フリーから有料のプレミアムへアップグレードしてもらおう

LESSON:無償版を高品質の有料版へアップグレードしてもらおう
CASE:電子書籍リーダーのソフトを無料で与えて専用端末を売る
ACTION:無料版を作成しよう

16章 ブランドの管理をゆるくしよう

LESSON:ブランドを厳密に管理しすぎないようにしよう
CASE:グーグルはドゥードゥルで企業イメージを明るくした
ACTION:デザイナーたちに自由を与えよう

17章 個人事業者と手を組もう

LESSON:ライバルを味方にしてしまおう
CASE:アマゾンの世界で最も人気があるアフィリエイトプログラム
ACTION:自社の製品やアイディアをまねするものと提携してしまおう

自社のデザイナーたちにブランド要素で遊ぶ裁量を与え、消費者やファンにアイディアを出してもらおう。


18章 社会に恩返しをしよう

LESSON:真心をこめて慈善事業を選ぼう
CASE:ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ
ACTION:自分のコミュニティに恩返しをしよう

自社のイメージと一致するような、社会に恩返しする方法を選び、今すぐに始めよう。


19章 自分が本当に好きなことをやろう

LESSON:本当にやりたいことをしよう
CASE:ビル・ゲイツは自分の人生の主導権を握っている
ACTION:今、この瞬間を楽しもう


私もいちマーケティング・PR担当者として、本書に書かれていることは「目からウロコ…」というよりは、自分が意識して取り組んでいる事が多かったです。
でも本には説得力があって、漠然と「こうしたらいいなあ」と思っていることを言語化して後押ししてくれていて、「そうそう!そうだよね!」とか、「ああ、そのとおりだよね…(行き届いてないけど)」と思う箇所が沢山ありました。

少なくてもこの「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」本は、自分の感性にものすごく刺さった上に、自分の業務ともダダ被りで、あまりに自分にぴったりすぎる本でした。

付箋とか貼って何度でも読み返したいけど、社内で回し読みしないといけないので、買います。

あ、あと、柳瀬さんのラジオ、
TBS RADIO 954 kHz │ 12月16日「The Point of View」(糸井重里) - 柳瀬博一・Terminal の回も面白かった!グレイトフル・デッドの話をしています。
iTunesからポッドキャストで配信もされています。
ジョギング中の辛い30分を癒してくれました。

グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ
デイヴィッド・ミーアマン・スコット ブライアン・ハリガン
日経BP社
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